なぜ高齢者の体温は低くなるのか?
なぜ、人は年を取ると体温が低くなるのか?
実はまだこの問いには明確な答えは出ておりません。
しかし、年を取るにつれて筋肉量の低下や代謝の低下、体内の生理機能の低下などが原因だと考えられております。
これは、赤ちゃんの平熱が37度と高いことからも、そう考えられています。
なので高齢者の方は風邪を引いても熱が上がりにくかったり、寒い日などは体温が低くなりすぎて「老人性低体温症」になったりしがちです。
周りの人が気付いて上げる必要があるため、高齢者の方が周りにいる方はその方の平熱を把握していてあげる必要があります。
平熱は時間帯によって異なるので、起床時・午前・午後・夜の平熱を測ってあげてください。
その際には食前に測ると良いでしょう。
老人性低体温症について
通常、人は寒くなると皮膚の血管が収縮し、血流が少なくなります。
こうすることで、寒い外気に血液がさらされて体温が低下するのを避けようとしているのです。
しかし、老人になるとこの働きが弱くなり、血流が平常時と変わらずに体温が低下しやすい状態になります。
また、年を取ることで代謝が落ちていくので、体内で熱を作る働きも弱くなります。
この二つの理由により、冬場は特に高齢者の方は体温が低くなります。
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寒いときに体の中心部の体温が35℃以下に下がった状態を「偶発性低体温症」といいますが、高齢者の体温が低くなったときの状況をとくに「老人性低体温症」と呼びます。
高齢者の方は、
- ・代謝の低下により、体内で発熱を行いにくい
- ・体温調節機能が低下している
- ・寒さを感じにくい
- ・熱逃げやすく体が冷えやすい
という理由から体温が低下しがちです。
老人性低体温症になると、意識がもうろうとしたり、歩き方がぎくしゃくしたりし、最悪の場合は心臓発作を起こすこともあるので、周りが注意してあげることが大切です。
高齢者でも出来る体温を上げる運動
体温を上げるには食生活の改善が大切ですが、運動することも効果的です。
しかし、高齢者の方にとってはハードな運動は困難です。
そこでTV番組「ためしてガッテン」ではこのように言っていました。
高齢者の場合は、「自分で熱を作りだす」ことに主眼を置いたものではなく、過度に放熱している血管を温めることを中心とした改善法になります。
どういうことかと言うと、「お風呂で身体を温める」ということです。
特におすすめなのは半身浴。
少し熱めのお湯に10分浸かるだけでも体温は約1℃上昇します。
(理想はゆっくりと20分程度は浸かること)
もちろん、体温が上がるのは一時的なことですが、毎日続けることによって平均体温は上がっていきます。
血行が良くなるということは身体の隅々まで栄養が行き渡るということ。
低体温を解消できれば免疫力が上がるというのは、このことからなのです。
もちろん、まだまだ足腰が丈夫な人であれば、ウォーキングやストレッチ、水中ウォーキングなどは血流の増加と共に心肺能力も高められますので、ぜひ挑戦してください。