アクリル固定ガター法
アクリル固定ガター法はその名の通り、チューブを爪と皮膚の間に挟みアクリル樹脂で固定することにより、巻き爪の痛みを和らげながら、正常な爪の再生を促す治療法です。アクリルガター法と省略されることもあります。
チューブには点滴用チューブに縦に切り目を入れたものを使うことが多く、イメージとしては指にストローが挟まっているようなビジュアルになります。
アクリル固定ガター法は「VHO式」と呼ばれる「血を出さず、痛くない方法」を主として開発された治療法の一つです。従来は重度の巻き爪の場合は、手術をして爪を切除する方法で治療することが多かったのですが、このVHO式が開発されてからは爪を残したまま巻き爪を治療することが可能となってきました。
アクリル固定ガター法で使われるアクリル樹脂は歯科医療やネイルアートにも使われるのと同じ材料で、熱にも強くプラスチックチューブを固定するのに適しています。医療用接着剤でも代用は可能ですが、医療用接着剤は熱に強くないので入浴時などに外れやすくなります。
アクリル固定ガター法は主に巻き爪による肉芽(※)が出来てマチワイヤー法やプレート法での治療が効果が見込めない場合に、アクリル固定ガター法での治療を採用するケースがあります。
※肉芽・・・傷や炎症により欠損を生じた部分にできてくる、赤く柔らかい粒状の結合組織
アクリル固定ガター法のメリットとデメリット
メリット
・重度の巻き爪にも爪を切除する必要がない。
・不要部分はカットするので見た目もあまり気にならない。
・保険が適用される。
デメリット
・麻酔注射をする場合がある。
・慣れるまでは足の異物感が気になる。
・何度か通院が必要。
アクリル固定ガター法治療にかかる期間と費用は?
(処置時間) 約60分
(治療期間) 1ヶ月~
( 費用 ) 約8,000円前後(保険適用)
アクリル固定ガター法は肉芽が出来て、他の治療法が困難な場合に肉芽の治療を第一とした巻き爪の治療法です。
食い込んだ爪と皮膚が接さないことにより、皮膚の治癒を早め肉芽は1週間~1ヶ月のうちに治ります。しかし、ガター自体の巻き爪矯正の力は強くないので、爪の巻き込みが強い場合にはガター法での治療は難しく長期戦になりがちです。
したがって、医師の判断で肉芽が治った段階で他の治療法にシフトするケースもあります。